チュチュメール 2019年11月号vol.33~風邪と漢方薬~

今月は、風邪について書いてみたいと思います。

「風邪のひきはじめには葛根湯」といいますが、葛根湯を飲むのにも適応する症状があります。

それは、風邪をひき、身体全体的な筋肉がこわばり、お腹の調子が悪く、下痢をしている(お腹が緩い)というところがポイントです。

非常に高い熱がでている風邪で便秘の場合は、大承気湯(だいじょうきとう)という漢方薬で便を出す処方が必要になると言われています。

このように、同じ風邪でも、症状の差で処方が変わってきます。

風邪を引いたら、熱々のうどんを食べて、布団をかけて寝る!と言われていた私が中学生の時の理科の先生を思い出しますが、これは、まさに風邪の初期のみ通じる健康法といえます。

汗を出した方が良い風邪と、出しすぎるとかえって体力を奪われてしまったり、汗ではなく、便として風邪の原因(邪)を出さなくてはいけないケースもあるのです。

一番浅い、初期の風邪の特徴をあげると、悪寒・発熱・頭痛・項強(うなじのこわばり)があるいわれ、寒気で震えて、発熱もあり、頭の後ろがとても張って痛むのです。

この特徴がある場合は風邪の初期の処方をするわけですが、ここでもう一つ問題になるのが、汗が出ているか・出ていないかということが問題になります。

初期の風邪と分かった時、無汗の場合は麻黄湯(まおうとう)を。少しでも汗が出ていて、同じように悪寒・発熱・頭の後ろの張った痛みがある場合は桂枝湯(けいしとう)を用いるのです。

桂枝湯の場合、もう一つ特徴があるのが吐き気などの胃腸症状があるかどうかです。これらの症状がぴったり一致した場合、漢方の処方は有効的だといわれています。

漢方の世界も単純には言えないことが多く、一つの漢方薬に絞る診断をするには、とても緻密に今の身体の状態を決定する必要があります。

漢方薬の良い点は、病を抑えるのではなく、スムーズに経過させるためにあるといわれているところです。

現代の西洋薬の弊害の一つが、症状をとにかく抑えることにあると思われます。抑え続けた結果、身体が保てなくなり別の症状を引き起こす結果となります。抑えるだけでは根本的な解決にはならないということですね。発熱も無理に下げずに、免疫力を高めて乗り越えるのが良いと言われるようになってきています。

風邪の原因にしっかり対処し、スムーズにその原因となる邪(停滞したもの)を対外へ排出することで、スムーズな回復を促すのが漢方薬や鍼灸の目指すところです。

今回は漢方薬を通して、身体のケアの考えをお伝えできたらと思いご説明しましたが、漢方薬の処方は、専門の漢方医にご相談ください。漢方薬も間違った処方の場合は害になります。

鍼灸などの身体のアプロ―チを通して、病をスムーズに経過させていくということに関してはいつでも私にご相談いただければと思います。

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