鍼だからこそできること 手だからこそできること

チュチュメール2025年11月vol.105
〜整体と鍼灸について個人的に感じていること〜

今回の内容は私自身が、これまで整体や鍼灸に取り組んできて、感じたことを書かせていただこうと思います。

今年で整体の仕事をはじめて24年目になります。
整体の仕事を始め9年が経つ頃、初めて鍼灸を受ける機会がありました。

東京の鍼灸院で、背中に鍼を刺していただいたのですが、その時凝りがフッと溶けるような、なんとも言えない不思議な体感を得ました。
   
整体の仕事を通して、手技の施術をしたり、受ける機会があったのですが、手ではできない『鍼の凄さ』をその時に感じたのです。

その後、すぐに鍼灸学校に通い始め、仕事をしながら3年間の夜間学校に通い、鍼灸の国家資格をとり12年目となりました。

これまでも多くの先生の鍼を受けさせていただき、今の臨床に役立てています。同時に整体の手技の仕事も続けてきたからこそわかる、鍼だからできることを私なりに少しまとめてみたいと思います。

①体内に刺入できる
鍼を刺すことは、あえて体内に異物が入ることです。この異物に生体は反応し、治癒力が働きます。ツボはカラダでいうところの急所の1つと言え、そこに刺激することで、よりスムーズに改善を促します。

②手ではできない細かさや深さがある
指の太さと鍼の太さは異なります。より的確な方向や角度で鍼は刺入できます。
また、どうしたも手では届かない深さにも鍼なら届きます。
鍼を刺す深さは基本的には体表に近い、浅いことが多いのですが、必要な処必要な場合には深めに刺すケースもあります。いくらギューっと指で押さえてみても、届かないところに。
また、深く指で押そうとすればするほど、狙う場所以外にも強い力がかかります。一見すると鍼のほうが刺激が強いように思われるかもしれませんが、的確な場所に最小限の刺激量を加えられるのが鍼だと思います。

③刺さない鍼(ていしん)でも十分効果を発揮できる
当然鍼を刺入したほうが良い場合も多いのですが、小さいお子さんであったり、刺されるのが怖いという方もおられます。また、鍼を刺すのが難しいツボであったり、範囲が広い場合にも刺さない鍼なら、スピーディーに対応できるのです。

ここからが11月号のメルマガの続きとなります

④鍼は手とは異なり、置いておける

このことを置鍼(ちしん)と言いますが、手でじっとツボを押さえておくということもできないことはないですが、毎度行うことは術者にとっての負担は大きくなります。また、受けられる方にとっても近いエリアに常に人がいるというのは負担になる恐れがあります。大丈夫だという方ももちろんおられるでしょうが、置鍼をし、部屋を暗くすることで、短い時間でも深く眠られる方が多くおられます。眠りは体の回復力を高めてくれます。

体は緊張はすぐできても、自然とリラックス、体の力を抜くことは難しいのです。
これは呼吸でもそうで、無意識に吸うことはできても吐くことは意識しないとできません。

当院に来られる方の中にも、無意識に息を止めている方が多くおられます。
それは、無意識に吸って、吸って、吸っているから止まってしまっているのかもしれません。
そんな方にオススメしていることは、とにかく『息を吐くこと』です。意識をしながら、風船の空気が抜けるようなイメージで力を抜きつつ息を細く長く吐くこと。

⑤手にはない金属のチカラ
銀には体を冷ます効果(瀉法)があり、金は温める効果(補法)がある、とある鍼灸の本で読み、金属によっても人体に及ぼす効果が異なるということを知りました。

人体に刺す鍼は、全てディスポーザル(使い捨て)のステンレスの鍼を使っています。何十年も前は滅菌をして、再度使われるケースがあったようですが、現在は衛生面で使い捨てがほとんどかと思います。素材も金や銀の針もありますが、コスト面や強度、アレルギー反応が出にくいステンレスが採用されているのかと思います。

ていしん(刺さない鍼)では金や銀、チタンなど様々ありますし、それらを使用しております。

形状も尖ったものから、丸いものまで様々で、使う場所、狙いたいところに応じて使い分けています。

こういったことも鍼だからこそできることの1つと言えます。

⑥鍼は電気を通すことができる
最後に鍼通電の話を書きます。細かな説明は省きますが、炎症が強いところには微弱な電流を流すことで、炎症を抑える働きがあります。また筋力が弱く、血流が悪くなっているところは、その筋肉が働くように動かしていく電流もあり、それ以外にも様々な使い方があります。これも鍼ならではだと思います。

これらのことが今現在私が思いつく鍼の良さであり、逆に手だからこそできることを1つ書かせていただくと、
それは『手当て』です。

先ほど書いた置鍼の話とは相反する部分もありますが、手を当てる、手が体に触れることで、相手に『ぬくもり』が伝わります。

手の持つ力は、そういった『ぬくもり』を伝え、人を安心させたり、
また手を当てるだけでも、体が改善したりと、人の持つ手のパワーは計りしれません。
鍼灸の基本もやはり手当てであり、手で触れることで、どこに異常や違和感があるのかを判断したり、そのツボが良くなってきているとか、もともと正常であるとかも、やはり手で判断しています。そうして鍼をするポイントを探すのです。

私自身、この仕事を始めたきっかけは、人に手のぬくもりを伝えられる仕事はいいなと思ったからです。

これからもチュチュ鍼灸整体院では、皆様が少しでも心地よく過ごせる毎日をお手伝いできたらと思っております。

初めての方も気軽にケアのご連絡いただけたらと思います。

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